糖尿病と歯周病の関係

糖尿病は免疫力が低下して歯周病を発症・悪化させる傾向があります。
それだけでなく、歯周病が悪化するとその炎症から出てくる物質がインスリンの働きを妨げて糖尿病を更に進行させてしまう事がわかってきました。

つまり糖尿病と歯周病はお互いを悪化させる悪循環の関係にあります。

日本では、糖尿病治療中、未治療、予備軍も含めると2000万人ほどいると考えられていますがこの悪循環に気づいていない方も多く、歯科医師会では広く知っていただきたいと考えています。

もっと見る

厚生労働省の平成24年「国民健康・栄養調査」の推計で、糖尿病が強く疑われる成人は約950万人、 また可能性を否定できない「糖尿病予備群」は1,100万人に昇ります。国民の5人に1人が糖尿病と言われています。 一方、歯周病は、厚生労働省平成23年調査によると、‘歯肉炎及び歯周疾患’の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は、265万7,000人でした。有病率だけでみると、20歳代で約7割、30~50歳代は約8割、60歳代は約9割が歯周病に罹っています。

どちらも多くの国民が罹っている疾患ですが、実はこの2つの疾患は密接に関係があることがわかってきました。糖尿病になると免疫力が低下し、歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。結果、歯周病を発症・進行させてしまいます。歯周病がさらに悪化するとその炎症により出てくる物質(TNF-α)が、血糖上昇を抑えるインスリンの働きを妨げて、糖尿病をさらに進行させてしまいます。つまり、お互いに病気を悪化させてしまうことになります。したがって、歯周病は、網膜症、腎症、神経障害、心筋梗塞、脳梗塞に次いで、糖尿病の第6番目の合併症と言われています。

でもご安心下さい。最近の研究で、糖尿病も歯周病も必要な治療を継続的に行うことによって、どちらの疾患も進行を止めるだけでなく、改善できることがわかってきました。

健康保険が適用される基本的な歯周病治療を計画的に行うことで炎症が改善し、血糖値の上昇が抑えられ、結果として糖尿病の進展防止と改善が図れます。また、糖尿病の治療もしっかり継続することで合併症の発症とその進行は抑えられます。つまり、合併症である歯周病が改善するわけです。

イメージ画像

糖尿病療養指導士をご存知ですか?

糖尿病と歯周病の両者には生活習慣病という共通点があります。専門医療機関での治療はもちろん必要ですが、日常生活を送る中での心がけやケアが重要になってきます。特に糖尿病の患者の場合は病状によってその対応の仕方も多岐にわたり様々です。患者一人一人に合った療養が求められます。そのお役に立てる資格を持つのが糖尿病療養指導士です。特定非営利活動法人秋田県糖尿病対策推進協議会では秋田県糖尿病療養指導士の育成を平成22年から毎年続けています。

秋田県糖尿病療養指導士が所属する歯科医療機関

平成28年4月現在

地域 歯科医院名 住所
鹿角 八幡歯科医院 鹿角市十和田毛馬内字下夕道19-22
北秋田 比内根田歯科医院 大館市比内町扇田字長岡下14-11
山本 わかオーラルヘルスケアクリニック 能代市字藤山110
秋田市 稲葉歯科医院 秋田市川元開和町10-20
河原田歯科医院 秋田市楢山南中町2-5
神田歯科医院 秋田市楢山本町3-14
旭北歯科医院 秋田市旭北栄町1-4
のなか歯科医院 秋田市泉北2-2-16
秋田周辺 児玉歯科医院 男鹿市船越字前野98-90
わかみ歯科クリニック 男鹿市角間崎字百目木48-1
橋本歯科医院 南秋田郡井川町浜井川字土樋165-1
わしや歯科医院 南秋田郡五城目町西磯ノ目1-2-10
由利 武田歯科医院 由利本荘市桶屋町124
仙北 太田歯科診療所 大仙市太田町横沢窪関南501
平鹿 歯科 ヨコテクリニック 横手市神明町13-17

秋田県糖尿病療養指導士について詳しく知りたい方は下記のページへ