横手発、健康を科学するコホート研究

日本人のがん、循環器疾患、糖尿病などの罹患率および死亡率を経時的に調査し、生活習慣病のリスク要因や科学的な予防法を明らかにする目的で、平成2年より多目的コホート研究(JPHC Study:Japan Public Health Center-based prospective Study)が国立がん研究センターを中心として行われています。多目的コホート研究において、歯科研究が実施されたのは平成17年であり、秋田県横手保健所管内の55~75歳の住民を対象として得られた歯科のデータを用いて分析を行っています。

また、平成24年より次世代多目的コホート研究(JPHC-NEXT Study、平成23年はパイロット調査を実施)が開始されました。全国で実施するベースライン調査の「生活習慣および食生活に関する質問票」の中に歯科関連の質問が3項目(自己申告の歯の本数、かみ合わせの状態、歯周病の経験の有無)入っています。また、平成24~27年には、秋田県横手地域において40~74歳の住民を対象に、歯科のベースライン調査が実施されました。今後、フォローアップ調査を実施し、歯科疾患と栄養・食生活などの生活習慣や、全身疾患との関連を調査し、予防対策について検討していく予定です。

国立大学法人 東京医科歯科大学
大学院医歯学総合研究科健康推進歯学分野
教授 川口 陽子