歯科医師コラム

腸内フローラ

'15.04.15

腸内フローラという言葉をご存知でしょうか?
フローラとは花、お花畑の意味ですが、腸内のお花畑とは?

そうです、「便」の元のなる腸内細菌群のことです。培養シャーレに菌を増殖させると花が咲いたように見えるからでしょうか?あまり綺麗な話でなくて申し訳ありません…。

人間を含めて動物は、皮膚表面から、口腔内、腸管内に、常在菌として沢山の種類の微生物と共生しています。気を留めておきたいことは、「人間が住まわせてやっている」のではなく、彼ら無しでは人間の生命活動が上手くいかなくなる点です。つまり彼らは自分の一部と言える存在なわけです。

しかも腸内細菌の個数は100兆個とも言われていて、ヒト自身の体細胞が40~60兆個との事なので、数で言えば約2倍!これではどちらが宿主かわかったものではありませんね。
ちょっとSFな話ですが、仮に個人のカンペキなクローン体が出来たとしても、記憶と便の移植をしなければ同じ人間に成り得ない事になります。

まさに共生体とも言える彼らは先日のNHKの特集番組によれば、菌の産生する化学物質によって実際に体調、体質、脳の活動にまで影響が及び、ひいては心身の健康に少なからず関与するとのことでした。むやみに抗生物質で痛めつけたりしないようにしないと、思いがけない不具合がでないとも限りません。

さて、口腔内にも沢山の常在菌がいます。完全な排除は不可能ですが、ホドホドの数に収まっていただくことが肝要です。また、歯周ポケットが深くなるとポケットの奥で悪い菌が増えやすくなるので、歯周病の悪循環に陥ります。比較的害の少ない菌たちとホドホドになかよくするためには、定期的にメンテナンスを受けていただくことが重要です。