歯科医師コラム

何事も「根っこ;基礎」が大事!

'15.06.15

スポーツ少年団の教育に携わるようになり痛感しているのが、基本の大切さです。加えて自分で、もう一度修練をしていく上でやはり基本練習は欠かせないことが思い知らされます。

大木はそれを支える十分な根と土壌が必要であり、家・建物には基礎となる土台が必要であり、土台がしっかりとしてないと後々倒壊や欠陥住宅になることが危惧されます。スポーツにおいても基礎体力強化に始まり、素振りや発声などの基本練習に大半の時間をさかなくてはなりません。このように世の中のほとんどのものには基礎・基本が存在し、外に見える部分より見えない部分が最も大事なのです。

歯においても、歯肉から出ている頭の部分(歯冠)よりも歯肉・あごの骨に隠れている根の部分(歯根)が最も大事であります。さらに土台であるあごの骨(歯槽骨)と歯肉などの歯周組織が健全で強固でなければ歯は長持ちしません。また、土台と根がしっかりしていても上に過剰な力が加われば、土台と根が負けてしまい、揺れて抜け落ちてしまいます。すべては、支える根と土台、それにバランスのとれた力(咬合力)です。基本に支えられた機能と効果発揮となります。

日々の診療において、歯根と歯周組織の治療の大切さはいうまでもなく、一生懸命治療していくのですが、患者さんにとっては大きな変化はなく、何をしているのかよくわからないのが現実だと思います。急性期の痛みの強かった時期に比べると、痛みも落ち着き、ただ回数を繰り返すだけの同じ治療が続くことは苦痛にすらなり、中断してしまうことが少なくないように思われます。

歯科治療の中では地味な治療ですが、実は難しく、基本であり、最も大事な治療であることを理解していただきたいと思います。

文:まさ坊